センチメンタルの涅槃

読書、漫画、映画感想用。中二病と喪女をこじらせた24歳。吾妻ひでお、山田花子、真造圭伍、九井諒子などが好きです。ボーイズラブの話多し。

5月読んだ中で面白かったおすすめBL漫画6選・記録用(2017年5月)

食べログにレビュー書く一部のおっさんって、何でいちいち、(自分はどういう食物が好きで云々みたいな)自己紹介とか、そのレストランに入るまでの用事や過程とかを無駄に詳細に書くの??? 俺は食べ物の感想が聞きたいんだよ!! てめーの自己紹介はどうでもいいっつの!!!」

 

とか常日頃思っているけれど、自分も本や映画の感想を書くとき完全に同じことやっているな、と気付いた今日この頃です。

 

ということで前置きは省きます。(これ自体が既に前置きなのではという気も…)

 5月は割と様々なジャンル(ジャンルって全部BLだろうが)の作品に出会えたのではないかと思い、それぞれ、【エロ】【ギャグ】【ファンタジー】【ニアホモ】【シリアス】【ほのぼの】と付けております。

 

 

『もみチュパ雄っぱぶ♂タイム』/イクヤス (フロンティアワークス) 【エロ】

 

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renta.papy.co.jp

 

『ガチイキ挑発ナイト』の時も思ったけど、イクヤス先生、

タイトルの語呂があまりにも、あまりにも良すぎる…ッッ

 

2017年『声に出して読みたいBL漫画タイトル』ナンバーワンかな?????

 

というのはさておき、さておきっていうかこんな良すぎるタイトル付けられた時点で既に勝利は手にされたもんだと思うけどひとまずさておき、5月に読んだ中で個人的に「ヌきBL」として最高峰だと思いました。

 BLを読むテンションって大雑把に2種類あって、すなわち、

「オトコ同士の深い関係性の物語(ドラマ)が読みたい…」という時と、

「エロい漫画が読みたい」っつー時である。

 

この「エロい漫画が読みたい」というのはしかし難しく、ただひたすらあんあんヤっていればいいという問題でもない。肝心なのはエロにいたるまでのそしてエロ中の緩急(?)である。

のだが、緩急の緩部分が長すぎても駄目というか、こればかりは、肉まん食べたい気分の時にいざ一口食べてみたらあんマンだったらめちゃくちゃテンション下がるのと同じで、エロ本が読みたいのに、いつまでもいつまでーーーも、

(俺…あいつのこと好きなのかな…)とか(男同士なのに…)とかウダウダウダウダやられちゃあ、いいからはよヤレよ!!!どーせくっ付くんだからしょーもないことでいちいち葛藤すんな!!!!と苛々したりするのだ。

 

(そのくせ、ストーリー漫画が読みたいモードの時だと、あんまりすぐくっつくと、「薄っぺらい話!」とか文句つけたりする。読者の感想なんてのはその程度の勝手なもんであるから相手にしない方がよい)

 

というわけで、この緩急バランスと、攻め方、受けの感じ度合い、魅せ方…色々の条件…が揃った「エロい」BLこそが、「ヌきBL」です。

「雄っぱぶタイム」とタイトルにあるように、お金に困っている主人公がひょんなことから「男性向けおっぱいパブ」で働くことになり…という内容なのだが、

 個人的に、元々「乳首攻め」ジャンルが好きなのもあるが、

最近ジョジョ二部の「ジョジョ×シーザー」にときめいたのと、「マグニフィセントセブン」のクリプラにずきゅんとやられて以来、「ガチムチ筋肉受け」ジャンルに目覚めつつあるので、イクヤス先生の描くガチムチ気味エロは、いい…いいよ!!

 

 

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クリプラ、ガーディアンズオブギャラクシーを観た時はそんなに何とも思わなかったが、腕とか太腿がムチっとしているのがエロくていい。

クリプラの話になってないか?

 

 

『VIVA LA VIDA!!』/あびるあびい (東京漫画社) 【ギャグ】

 

(既刊もだけど)表紙が…オシャレ…! オシャレだな!!!

 

表紙はPOPな色使いで、中の漫画の絵柄は何となく松本大洋を彷彿させるけども、

サブカル漫画にありがちなポエミー雰囲気漫画でも主人公らが無闇にひねくれて面倒な感じでも浅野いにお漫画に出てくるようなあざとい感じでもなく、

【ギャグ】って書いたとおり、主要登場人物たちは、割と気持ちのいいほど真っ直ぐだったりして、表紙から受ける印象とは裏腹に思いのほか全体の雰囲気としては結構ハイテンションである。

まァ、脇の人物の造型とか、こういうの面白いやろ??面白いやろ??みたいなあざとさは無きにしもあらずでその辺鼻につく人は鼻につきそうだけれども、

しかし、そのハイテンションぶりと、BL漫画にあるまじき変顔のオンパレードに負けていちいち笑ってしまう。

何故か時々楳図かずおみたいなのが入るし…

 

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とはいえ、その独特な画風とかややぶっ飛んでいる個性的な登場人物とは裏腹に、物語展開としては、「普通のBL」なのがいいですね。

「普通のBL」というのは、ありふれた陳腐なBLというマイナスな意味ではなくて、様々な友人、仲間たちとワイワイする飲み会、アルバイト、アパートの隣人、男の子たちが生活している日常の中である人と出会い、交流が深まり、ふとした瞬間に見せるギャップに心が動かされ、己の嫉妬心のようなものに気付き、彼が特別な存在になっていることを悟る…私たちの生活にある普遍的な恋愛を無理なく描いたBLというか

(お前の生活には恋愛はねーだろ?っていうのはともかく…)

 

そういう、生活の中にある普遍的な「普通の恋愛」を描くには、おそらく日常パートにもページを多少割く必要があって

このバランス――「攻めと受けの存在或いは攻め(受け)にとっての受け(攻め)が(物語の中で)特別でなければならない」というBL漫画がBLたる条件と、「世界に攻めと受けしかおらんのか?」「攻め受け以外の人物が使い捨てのモブ」みたいな、血の通っていない物語「ではない」ーー間のバランスを取らねばならず、そんなに成功している作品って少ないのだが(日高ショーコ先生とかはこのバランスが上手い)、

あびるあびい先生も、凄く、「普通のBL」が描ける人なんじゃないでしょうか。とこれを読んで思った。

 

 

 

『その世のどこか、地図にない国』/鯛野ニッケ (ジュリアンパブリッシング) 【ファンタジー】

 

ボーイズラブっていうのは基本、「主人公(受けor攻め)と、主人公が出会う男(攻めor受け)が最終的にくっつく、或いはくっつくまではいかずとも惹かれあう」物語で、それが安心感でもあり、退屈でもあるわけである。

何だかんだいって好きになるんでしょ? 結ばれるんでしょっていうのが読者は最初から分かりきっているからだ。

 

しかし、その意味でこの「その世のどこか、地図にない国」っていうのは割と珍しいBLっていうか、主人公を含めて3人ほど主要な登場人物が出てくるのだけれど、終盤になるまで誰と誰がどのような形(どのような攻め受けで)結ばれるのか、読めなかったりする。(彩景でりこのみたいに3人でカップル←トリプル?になるというわけでもなく)

 

物語の導入としては、冒険好きの主人公が、どこの国とも一切交流を持たない秘境である謎の小国に侵入し、そこで、かつてはその国の王族だった貴族の子どもと彼に付き従う美しい従者と出会う

そんな中で、国内に蔓延する風土病、風土病の治療として交わされる「キス」の風習、病を持った主人(子ども)に治療の「キス」をした後、熱く昂る従者の姿を目にし…

みたいな感じなのだが、一見、「BLのための(深くは突っ込まない)トンデモファンタジー」のようでいて、

意外とちゃんと伏線等が回収されていたり理由等が説明されていたり、「風土病」「←とその解決」が物語の大きな軸と「主人公が主人公である理由」になっているので読みごたえあり。

 

(まあ「だってまおうさまは彼が嫌い」の山田二丁目先生みたいに「BLのためのトンデモファンタジー」を芸に昇華できるのもそれはそれで才能なのだが…)

 

更に主人公が…っていうと一番面白いポイントがネタバレになるから読んで欲しいんだけど、個人的にはどんどんこういう、最初のうちは誰と誰がどういう関係になるか分からないBL作品増えてもいいと思う。

主人公のキャラクター造形も良くて、冒険好きで物怖じせず、コミュ強気味でノリは軽いんだけど決める時は決める、雰囲気でいうと、「花は咲くか」の藤本が主人公みたいな感じですけど(ネタバレじゃねーか)、主人公が軽めのキャラクターのおかげで、恋愛を巡る後の展開にも読者は(主人公に感情移入・同一視するあまり)深刻なダメージを負う、ということがさほどない(ネタバレじゃねーか)のもうまいなあ

 

 

『ストレンジ』/つゆきゆるこ (リイド社) 【ニアホモ】

 

まあ厳密にはBLじゃないんですけど、男性同士の出会いや関係や交流を描いた短編集なのでニアホモ枠に入れてもいいことにしよう、吉祥寺のジュンク堂では完全にBL棚に置かれてたし…

短編のオムニバス形式で、

 

・男子高校生が、女装バーで働くゴツいゲイの男性と出会う話

・オンラインゲームを通じて仲良くなっていく、ヤンキー気味の高校生とドンくさい眼鏡の同級生

・娘の結婚を控え落ち込むおじさんが、渡航先のハワイで、ガイドを名乗る明るい青年に連れ回される話

・それぞれ別の意味でクラスで浮いている、優等生の少年と問題児の少年が友達になり喧嘩をしまた友達になる話

・動物仲間として仲良くなっていく、高校教師と生徒

・生意気な中学生の甥を預かることになりあたふたする伯父

 

6組12人の男たちの物語が描かれている。

彼は、彼に出会ったことで、出会う前とは少しずつ何かー世界の見え方、世界の捉え方ーーが、変わっていくのである。

 

私はこういう、友情以上恋愛未満ーーというより、「友情」とも「恋愛」とも規定できない関係性(男同士に限らず)を描いた作品に弱い。この世には、友情でも恋愛でもないのに互いが特別な存在である関係というのが確かにあってしかし、にも関わらずその絆を呼称するための名前はまだ無いような気がしている。(ブロマンスっていうのもまた違って)

なので、そんな名前のない関係がぶわあっと心に浮き上がってくるような物語に弱くそれこそが、ドラマ性ってやつだよなあと思う。

 

ということで、所謂BLでは無いしBLでは無いのが良さだとは思うのだが、個人的には、

「PRETTY!」(動物仲間として仲良くなっていく、高校教師と生徒の話)で、先生が他の生徒とも動物の話をしていたのを見たあとの、ヤンキー気味の高校生の台詞

 

「…なんつかすげーダサいんですけど 先生はそういうの秘密にしてるんだと思ってたんですよね。…まあそうだと嬉しかったと言イマスカ」

 

「…どういうことですか」

 

「国語の先生ならわかってよ」

 

この「国語の先生ならわかってよ」に最高に萌えた!!!

自分だけが先生の好きなものを知っている自分だけが特別な関係だと思っていた生徒の独占欲、嫉妬心みたいな、言葉で説明すると野暮になるような感情を、

「国語の先生ならわかってよ」でまとめるーー読者側に呈示する手法、しびれるねえ。

 

 

にいちゃん/はらだ (プランタン出版) 【シリアス】

 

みんな大好き(或いは大嫌い)はらだ先生のこれまためっちゃ賛否両論、波紋を起こしそうなアレ。

これをBLと称していいのかは微妙で、

「小学生(主人公)が、近所のお兄ちゃんにレイプされそうになる」

ところから始まる、半分っつーか8割方犯罪っす。犯罪です。

成長しても高校生だしな…

まあ流石に読ませるというか面白いし、あとはらだ先生って、コマ割が独特でいいのだが…

(普通漫画のコマ割って、縦に三分割、横に二分割を基本形にしつつ絵によって小さくしたり増やしたり見せ場を大きくしたりするのだが、変形パターンとして、すごい細かく割ったコマの中に身体の部分を大きく拡大した絵を入れたものを続けて、何が起きているのかを想像させる風にしたり、絵のコマとコマの間に黒地のモノローグコマを入れて読む人のテンポ感を支配したりして、こんなコマ割よく思いつくな~と感心してしまう)

 

 

ところで、このところエロ本やBL本出している版元では、「東京オリンピックが近いですからねー」というのが半ば口癖みたいになっていて、諸外国の目を気にしてなのか、所謂、都条例ーー東京都青少年の健全な育成に関する条例による締め付け・検閲が厳しくなっているとの噂、ゆえに出版社はいつ都条例に引っかかって出版停止や回収騒ぎになるかビクビクしているわけです。

 

この都条例って何なのかっていうと何年か前、一時期オタク達の間で騒ぎになっていたから知っていると思うけど、

 

第7条(図書類等の販売及び興行の自主規制) 

図書類の発行、販売又は貸付けを業とする者並びに映画等を主催するもの及び興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条の興行場をいう。以下同じ。)を経営する者は、図書類又は映画等の内容が、次の各号のいずれかに該当するものと認めるときは、相互に協力し、緊密な連絡の下に、当該図書類又は映画等を青少年に販売し、頒布し、若しくは貸し付け、又は閲覧させないように努めなければならない。

一 青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの。

二 漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの。

 

これですね。

なので、13歳未満への性行為は強姦罪なので、「刑罰法規に触れる性交」って事になりそうだし、大人が18歳未満に手を出すのもモノによってはアウトかもしらんけれど、一概にショタは駄目ってことでもなく、「不当に賛美し又は誇張~」しているのが駄目なのであって正直この辺の基準は曖昧である。

だから出版社側も、「高校生が主人公の場合、挿入は…」みたいな自主規制で対応しているような状況なのだけれど、だから正直これ、

 

編集者、よく出したな…!

 

という感じですよ。私なんかは、

(早く買わないと青少年ナントカの犬に見つかって回収されるのでは…)

と慌てて買いに走ったくらいです。というのは誇張表現で買ったのは5月に入ってからだが、しかし、そのうち回収されるのでは…と思ったのは事実である。

 

法や規制や或いは世間の風潮っていうのは恐ろしいもんで、ディストピアを描いた傑作「1984」では、

 

「自白は裏切りじゃない。何を言おうと何をしようと、それは問題にならない。感情が問題なんだ。かれらの手によって君に対するぼくの愛が消えるようなことがあれば、それこそが裏切りというものだろう」
(中略)
「かれらにそんなことができるはずないわ。さすがにそれだけはかれらにもできっこない。どんなことでも――あることないこと何でも――言わせることはできるわ。でも信じさせることはできない。人の心のなかにまで入り込めはしないもの」
(中略)
「かれらも人の心のなかにまでは入りこめない。もし人間らしさを失わずにいることは、たとえ何の結果を生み出さなくとも、それだけの価値があると本気で感じられるならば、かれらを打ち負かしたことになる」

 

っていうやりとりがあるのだけれど、しかし、『国家の体制に疑問を抱いていた主人公は、とうとう思想警察に捕まり、尋問と拷問を受ける中、最後には、心から、党と当の支配者を、「愛するように」なる。

法や慣習や世間一般に信じられる倫理その他というのは、構成員の「思考の枠組み」みたいなのを形作っていく、と言いますか、

 

何が言いたいかというと、ということで最近の私は、「確かに実際にやれば犯罪だけど思想の自由が保障されている限り頭の中で考える分には自由だろ」 というのも一方で真とは思いつつも、妄想や頭の中でのBLストーリーがことごとくもう一方の自分ーー(これはレイプでは?)(これは倫理的にNGでは?)(未成年に大人が手を出すのは…) に邪魔されたりする。

端的に言うと、妄想の中でさえ、ショタやロリやレイプ物が大好きで興奮する自分と、条例・学習・知識その他に形作られつつある倫理的自己が葛藤し最近では後者の方が勝ちつつあるのであるが、

 

しかしそんな私でも、意外と「にいちゃん」の読後感は悪くなかった。

 

小さい頃に、近所に住む青年にレイプされかけた主人公ゆいは、しかしその後も、青年ーー「にいちゃん」を忘れられず彼を探し求める中で、再会することができる。

再会後、あの時逃げられた復讐とばかりに、性交中の写真撮影の強要その他凄惨なプレイを要求されるゆいは、大好きなにいちゃんに求められているのが嬉しい一方で、彼はもう自分のことが好きではないのだ、本当は昔みたいに可愛がられたい、愛されたいのにと思う。

そんな中、ある日ゆいは、「にいちゃん」もまた、かつて小さい頃に大人と性的関係を持ったことがあることを知る。そして、大人側が逮捕されることでその関係に終止符を打たれ、かつ「僕はおじさんと愛し合っていた」という言葉に誰も耳を貸さず異常者扱いされた過去があったために、そのはけ口を、自分も子どもと性的関係を持つことに求めた、ということも悟る。

しかし、自分をはけ口にしているということが分かったゆいは、ならば喜んで「代わり」になってあげようと、「おじさんの代わりに愛してあげる」と、今度は自分が「にいちゃん」を抱くことを決め…

 

というような、全体を通じて、

世間的に「祝福されない」もしくは、法的ないしは倫理的にNGである愛は、普通でない愛は、「本当の愛」ではないのか?

みたいなことを問うている内容である。

 

私自身は、いくら子ども側がOKといっていても、まだ判断のつかない幼い子と性的関係を結び、ゆえに、子ども側がその、快楽または、自分にはこの人しかいないという気持ち、或いは恐怖心の裏返し、等を、「愛」と錯覚してしまうことを、

「愛」と認め賛美して良い、っていう捉え方は非常に懐疑的というか考え方として無理(先程レイプ物が好きでショタコンと書いたが、あくまでレイプはレイプであって最終的にヤられたショタが「好きになっちゃった…」みたいな感じで終わるのは無理)なのだけれど、

 

しかし「読後感は悪くない」というのは、本作品では、でも、でも間違ってるんだよね、ってのを最後に暗示しているから。

という意味で、都条例に引っ掛かる条件である、「不当に賛美し」に該当するかは判断が分かれるというか、この作品が、ハッピーエンドと捉えるべきか、実は問題は解決していないバッドエンドと捉えるべきかというのも、ラストによって解釈が分かれるんじゃないか。

 

人によっては、「せっかく二人が愛を認め結ばれて終わったのに、あの描き下ろしがあったせいで後味が悪くなった」って人もいるようだけれど、

私としては、あれは「バッドエンド」寄りだと思うんだけど、バッドエンドだからこそ、後味が悪くなくなった。

逆に、自分も小さい頃同じようなことがあったからって、或いは相手側の「愛」という名によって、性的加害が許されて終わり、「これって愛だよね」みたいな感じのまままとめられた方が、ええ??と読後感の悪さを引きずってしまっていたと思う。

(その意味では、同じくらいの時期に発売された佐倉リコの「五月の花はまだ咲かない」の方が、最後に、母親が自分の再婚相手と息子(高校生)の関係を認めている分、後味がすげえ悪かった)

 

因みに蛇足なんだけど、先程、編集者これよく出したなと書いたが、

この前、文乃ゆき先生のtweetで知ったんだが、このCannaの編集担当って、

もうすぐ実写映画が公開になる傑作ボーイズラブ漫画、文乃ゆき先生「ひだまりが聴こえる」や、糸井のぞ「グレーとブルーのあいまで」、高津「おかえりオーレオール」、朝田ねむい「Loved Circus」…私が最近、プランタン出版の中で面白い!!!と思った作品全部ことごとく担当してる人なんすね…

凄い才能である…

 

 

『オーマイヒーロー!』/ココミ (ジュリアンパブリッシング) 【ほのぼの】

 

上のはらだ先生の作品のすぐ後に読んだせいで余計に心洗われたっつーか、日頃どちらかというと重めの話の方が好きな私だが、

なんか…ボーイズラブはこういうのでいいよもう…幸せハッピーほのぼので…辛いのは嫌だよ…

みたいな気分になった。。

ヒーローショーのアルバイトをしている青年が、ショーによく来てくれている父子とひょんなことから仲良くなり、そのうちお父さんに惹かれ、みたいなまあ王道の話でそんなに突飛な事も起きないのだが、とりあえず登場人物が皆可愛い

 

ココミ先生は、10月にも、下記の記事で紹介していて、この時はまだコミックスとして出ている本が1冊もなかったけれど、今年5月、この「オーマイヒーロー!」で満を持して単行本デビューである。

下の記事で、「短編BLのお手本みたい」とベタ褒めしていた「仰げば恋し」も収録されているので、「仰げば恋し」を読むためだけでも是非手に取って欲しい

っていうか「仰げば恋し」が超いいという理由だけでこの一冊を5月おすすめ漫画に入れたので!!!

 

barakofujiyoshi.hatenablog.com